こんにちは。早野です。
本日もお読みいただきありがとうございます。
中学入試や高校入試の国語でよく出る作者に重松清がいます。
今回は重松清作品で不登校解決に役立つかも
そんな物語をご紹介します。
まずはおすすめしない撤去すべき本から。
たまに教育熱心なお家の本棚に
重松清の「ゼツメツ少年」があったりします。
これは不登校の子が連続して天国に行ってしまう話なので
撤去したほうがいいです(笑)
(笑)、じゃねーよと思いますが、
昔不登校の子に勧められて読んで心が削られた記憶があります。
★流星ワゴン
重松作品で私のおすすめは流星ワゴンですね。
TVドラマにもなりましたので
アマゾンやティーバーでも見れます。
あらすじは下記のようなもの。
リストラと家庭崩壊により絶望の淵に追い込まれた
38歳の永田一雄(西島秀俊)は途方に暮れていた。
中学生の息子は不登校で暴れて
家の中はバットで破壊されている。
妻(井川遥)は表では良妻賢母だが
実は陰でギャンブル依存症で借金を作り失踪。
*夫は妻の事情を知らずなんでいなくなったのか分からない設定。
絶望して夜の公園で気を失った一雄の目の前に、
突如ワゴンカーと不思議な親子(幽霊)が現れる。
夢の中で「タイムマシンのような車」に乗り込んだ一雄。
なぜか自分と同じ歳の姿で現れた父・忠雄(香川照之)が同乗。
夢の中で過去を巡る奇妙な旅を始める。
行き先は、一雄の人生にとって大切な分岐点…。
父子+幽霊と
後悔の人生をやり直すためのドライブを経て、
エンディングでは息子は学校に行くようになる。
というもの。
これは強制的な心理療法のようなもので
人間がやれば違法(おそらく)で
幽霊によるものという。
実際、何度も過去への旅で一雄は「もう嫌だ」と叫びます。
そしてドラマの曲がサザンの「イヤなことばかりの世の中で」。
この選曲も納得。
★「強くなくちゃ」と育てた祖父とそれに反発した夫の物語と背景
一雄の父は戦後に高利貸しから成り上り
今では中国地方で立派なアパレル会社を経営する成功者。
だが、今は重病で死の間際。
喧嘩別れした息子である一雄のことだけが気がかり。
昔はヤクザのような組織を作り
修羅場を生きてきた昭和の男。
(下手したら大正か明治生まれ)
その父は「男は強くなくちゃいかん」という信念で
一雄(不登校の子の父でありギャンブル依存症の妻の夫)を厳しく育てた。
が、一雄は金貸しの悪役の息子として。
学校でいじめられる。
クラスメートの親は借金で苦しんでいたという設定。
ただし、子分を見捨てられない親分肌の父のほうも
たびたび窮地に立たされてはいた。
(表には出さない)
繊細な一雄(西島)と豪快な父(香川)は考えが合わない。
一雄はどうしても父が許せないし、
父も一雄の「軟弱」な考えが理解不能。
「あんな下品で横暴で人を踏みつけてばかりの
父親みたいにはなるもんか」
そう一雄は決意して東京で一流企業の会社員であり
妻を理解する良き夫・この幸せを第一に考える父として生きる。
(まさに西島秀俊のイメージ)
だが、父としては愛する一雄に「こそ」会社を継いでほしかった。
自社の美しい高層ビルが皮肉な輝きを放つ。
ようやくどこに出しても恥ずかしくない、
ピカピカのおしゃれな一流企業になったのだ。
なので、サラリーマンなんぞになるとはと激怒。
一雄がアラサーの時に喧嘩別れに。
父としては家族に豊かになってもらいたいと
頑張ってきたのだし、厳しく接してきたのだが。
過干渉的ではあったのかもしれないが。
「この世でいちばんお前(一雄)のことをおもうてきたんわ、このわしじゃ」
by父
★良かれと思ったことが裏目に出まくる一雄
さて、父と夫の生き方は
下記のように整理できます。
苦境を乗り越えるために自分の考えを押し付けまくるのが父
⇔一雄は考えを押し付けずに理解ある夫であり父
奥さんに面倒事や理不尽を押し付けまくる昭和の父
⇔一雄は妻には面倒事を押し付けない平成のジェントルマン
「強くなくちゃダメだ」と子どもを殴りまくる厳しい父
⇔一雄は子どもには理解ある平成の優しい父
表面的には一雄が正しいようにも思える。
しかし、一雄は妻相手にも息子相手にも
「良かれと思ってのこと」がことごとく裏目に出る。
「君たちのことは僕が一番理解しているよ」
と言いながら妻も子も聞いてもらっている感じがしない。
そんな日々の繰り返し。
あげく
会社はリストラ。
妻は失踪。
子どもは家の中で暴れてぼろぼろ。
しかも、暴れる子どもに大の大人が全く太刀打ちできない。
あげく真冬の公園で眠りこけてしまう。
(あやうく一雄が天国行きという設定)
★一雄の覚醒
しかし、一雄は自分の父と向き合うことで
(タイムマシン空間上で幽霊により強制的に)
エンディングでは
妻とも本気で向き合う。お互い本音。
妻のギャンブル依存はある種の
一雄の表面的な生き方への無意識の反乱であり
一雄へのお薬でありギフトでもあったようにも見える。
*西島さんは石田ゆり子と蘆田愛菜とも似たようなドラマをやっていたが
そんな感じかもしれない(そちらはちらっと見ただけ)
そして、一雄は反抗的な息子を厳しく叱りつけ
息子が「はっ」として自分を取り戻したのか
言うことを聞くようになる。
子どもに厳しくすることが正解では全くないですが
「あの文脈(ストーリー)であれば」あれが正解だと
誰もが納得すると思います。
(そのためには全話見ないといけませんがw)
子役の演技も上手で、暴れる精神状態がよく表れている。
その後、息子は当然に転校先の学校に通うわけですが
「それはそうなるであろう」と納得する流れ。
どう見ても今までの生活を続ける流れではない。
(繰り返しになりますが子どもに厳しくすれば良いとか
学校に行けば良いという話では無いです)
結果的にこの騒動はある種のギフトとして
夫や妻や子の生き方は変わる。
ただし、重松作品は単純なハッピーエンドにはならず
一雄は漁師として第二の人生をスタートするという設定。
本人は充実感を感じつつも
客観的にはなかなかしんどい。
(本人は幸せそうだが40で漁師の世界に新入り)
なんせテーマ曲がサザンの「イヤなことばかりの世の中で」
夜と霧のフランクル的。
>イヤな事だらけの世の中で
>登る坂道は向かい風
>あの懐かしい日の想い出が
>酔えば身に染む 涙ホロリ
★感想
不登校を見ていると
「良かれと思って」のことが裏目に出ることが共通しています。
(いじめっ子はのぞくといえばのぞくかも)
また、お互いの立場が違いすぎて
理解し合うのが難しいのも共通しています。
ある時、仕事熱心なお父さんがこう言いました。
就職人気ランキング上位の超一流企業勤務の。
「ホモの上司の誘いを断るとリストラされる厳しい世の中なんですよ」
「息子には強く育ってもらわないと生き残れないんですよ」
最近、某テレビ局でその手の話が出ましたが
「本当なのかも」と。
昭和生まれの私ですら理解できなかったので
息子さんには理解不能でしょう。
また、奥さんは言います。
「出産は本当に大変なんです。」
「子どものために先回りしてあげるのが何が悪いんですか」と。
たしかに、冷静に考えると
お腹から赤ちゃんが出てくるのは
すごいことだと思います。
私は想像してみますがお腹から出てくるのは
物理的に不可能だろうと思います。
足が開かない(笑)
帝王切開なら麻酔でワンチャン楽なのかなw
私は出産に立ち会ったことはないですが
イメージすると先の奥さんのおっしゃることも分かる気がします。
仮に少子化対策で
「男も出産できる技術」が開発されたとして
大抵の男は耐えられないでしょう。
なので、男による出産は数%にとどまるかと。
ほとんどの小説で男は女よりも弱い存在として描かれます。
表面的にいくらいばっていてもです。
なんか分かる気がします。
なので、お父さんもお母さんもお子さんも誇りに思うべきでしょう。
自分たち自身を。
俯瞰してものを見ることが
新しい現実を作るように思います。
また、他のおすすめに重松清の「とんび」があります。
それはまたいつか。
中学受験をした方は
お疲れさまでした。
つい長文になってしまいましたが
最後までお読みいただきありがとうございました。
★新しいメルマガを作ろうと思います
*新メルマガはまだ投稿できておらずすみません。
題して、
「不登校の内のもやも~やにお宝がある
世界の未来発見メルマガ」です。(仮)
モーや君みたいなマスコットも作ろうかと。
子どもを理解する時に
自分も同じ感受性を持てるような
内容にしたいと思います。
感性が蘇ると生きていて楽しいです。
(苦しくもありますが)
配信頻度は不定期です。
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ではまたお会いいたしましょう。
最後までお読みいただきありがとうございました。